みなさんこんにちは。宮水です。
今回は、「GREAT BOSS(グレートボス): シリコンバレー式ずけずけ言う力」 を読みました。
何故読んだのか
本書は、部下を持つ人向けの本です。
会社のbook-jaチャンネルで、上司の立場である人が「よかった」と仰っていたので、調べてみたら私も読みたくなったのがきっかけで読むことにしました。
私は部下側の人間ですが、VP of Eとの1on1で「いろんな立場の人の仕事内容や気持ちを理解することは大事」と教わったので、ぴったりの本でした。
それでは早速内容の紹介をしていきたいと思います。
まえがき
まえがきでは、筆者が上司になった際の失敗談と、その失敗からどのような過程を経て本書を執筆することになったか書かれています。
たったの20ページではありますが、きっと多くの人が部下の立場もしくは上司の立場で、同じような経験があるのではないかと思う内容で、私はとても感情移入してしまいました。
CHAPTER1「徹底的なホンネ」の関係を築く
書いてあることが全部良いことすぎて、要約するのが難しいのですが...キーワードは、「徹底的な本音」です。
①心から相手を気にかける
②言いにくいことをズバリという
この2つが揃って初めて「徹底的な本音」になるとのことで、概要が書かれていました。
相手を心から気にかけることで上司と部下という優劣を意識しなくて済むようになるし、言いにくいことを言わずに怒りや傷つくことを避けていては最高の関係は築けないととのことです。
CHAPTER2「徹底的なホンネ」のフレームワーク
「徹底的な本音」が良いのはわかりました。
でもよく「お前のために言ってやってるんだぞ」なんて言って平気ですごく傷つくことを言ってくる人いるじゃないですか...。「耳が痛くなるような言葉も愛情なんだから受け入れろなんて書かれてたらどうしよう...」と怯えながら読んでたんですけど、2章でフレームワークを使って、とても論理的に「徹底的な本音」について解説されていました。
引用: https://note.com/tt7/n/n4924039216fc
この4象限を用いて、何が「徹底的な本音」で、何が「徹底的な本音じゃない」のかとても具体的に書かれていました。
例えば、本音を言うけど相手を気遣ってない場合は「イヤミな攻撃」。相手を気遣って、何も言わないのは「過剰な配慮」という具合です。
CHAPTER3「成長管理」のフレームワーク
3章では、「心から相手を気にかける」ことについて深く掘り下げていきます。
チームメンバーにはロックスターとスーパースターの両方が必要です。ロックスターは安定志向、スーパースターは常に挑戦を求めて新しい成長機会を望んでいる人のことです。
それぞれ得意なこと・不得意なこと、望んでいる評価が違うので、タイプによって「何が相手を心から気にかけているか」ということが違ってきます。
人によってだけでなく、人生におけるタイミングでも安定志向か挑戦したいか変わってくるので、よく話し合って「そのとき」その人が望んでいる夢や成長を応援することが大切だと書かれていました。
特に、筆者が仰っていた「ずっと成長し続けるのが正解だと思っていた」という言葉にははっとさせられました。
毎日たくさん自分に課題を課して忙しく過ごして、それを一生続けるのが当たり前だと思っていました。たまに苦しくなることもあったんですけど、それは「今」のキャリアプランであって、人生やキャリアの正解ではないんだなと心が軽くなったりしました。いろんな働き方があっていいんですね。
CHAPTER4「GSDサイクル」
GSDサイクルとは、
聞く→はっきりさせる→議論する→決める→説得する→実行する→学ぶ→最初に戻る
というサイクルを使うと、人に命令せずにやり遂げさせることができます。
このサイクルのカギは、衝動的に物事に飛び込まないところにあります。例えば、聞いていきなり説得するフェーズに入ると相手は命令されたように聞こえてしまったりします。
この章では、それぞれのフェーズについて、実例を用いながら説明されていました。
私はまだ本書の意味で「誰かに何かしてもらう」という場面は少ないんですけど、誰かと作業していて納得いかないことがあった際にはこのフレームワークを使ってみようと思いました。
CHAPTER5 部下と信頼関係を構築するテクニック
5章からは、Part2に入ります。今まではフレームワークなどの紹介でしたが、ここから実践的なテクニックについて書かれています。
- 社外のイベントについて
部下との信頼関係は、仕事を通して築くべきだと書かれていました。
私の場合はお酒があった方が楽しい派ですけど、飲み会の席で突然みんなの前で「お前の質問の仕方は下手くそだ!」「専門用語は正しく使え!」とか言われたこともあります。そういうのは面談のときに、つまり仕事を通して言ってほしいですよね。
- 部下の感情の高ぶりにどう対処するか
私は本当に泣き虫なので、「あー、これは確かに、泣きそうになったときありがたいなぁ」と思うようなことがたくさん書いてありました。
ティッシュは部屋におかずに離れた場所に置くとか、ペットボトルの水を用意するとか...。自分でも試してみようと思いました。
CHAPTER6 フィードバック文化の作り方
弊社にも、2週間に1回の1on1や360度フィードバックといったフィードバック文化がたくさんあります。
そのときに個人的に苦手なのが、「改善して欲しいところ」も書くことです。
この6章では、「上司が部下からどうやってフィードバックを引き出すか」「部下の褒め方」「部下への適切な批判の仕方」が書いてありましたが、自分がフィードバックさせていただく際にも相手を傷つけずに改善して欲しいところを言う方法が参考になりました。
また、ジェンダーの問題はとても考えさせられました。
男性上司が女性に厳しいフィードバックをしにくい問題や、「女性は愛想よくあるべき」という固定概念からはっきりものを言う女性は印象が悪かった、などの話が書かれていました。
女性の味方をするわけでもなく、平等な立場からお互いこうするべきだよね、と言うことが書いてあって素晴らしいと思いました。この本に書かれている心構えでいれば、異性の上司と部下の関係でも、ギクシャクすることなくいい関係が築けるのではないかなと思いました。
CHAPTER7 「成長管理」の実践
- 部下が達成したいキャリアを聞く
- そのキャリアを達成させるための課題を与える&適切な課題の作り方
- 解雇について
書かれていました。
私にとっては、自分の叶えたいキャリアについて考えるきっかけになりました。「上司が答えて欲しい答えを出してしまう」という文にはハッとさせられました。叶えたいキャリアは必ずしも今いる会社の利益になることでなくてもいいのです。
でも、自分のキャリアの夢と今の仕事の課題を結びつけてくれる上司なんて夢みたいですよね。
なかなか現実そうもいかないと思うので、仕事の楽しさは自分で見つける努力をしようと思いました。
CHAPTER8 「GSDサイクル」で結果を出す「ミーティング」のコツ
8章では、徹底的な本音を効果的に引き出すためのミーティングテクニックや、上司の文化がそのままチームに反映する、などの話が書いてありました。
一対一のミーティングを読んでて、1on1でやってもらってることがすごく多いなーと思いました。
自分のこれからのキャリアについて聞いてもらえる時間がちゃんとある弊社は本当にいい会社だと思いました。普段から、今週は何をして、何に困って、次は何をしようか一緒に考えてもらえる時間があります。私はいつも、30分じゃ足りないくらい話題をたくさん持っていきます。
今までの面談といえば、私ができてないことを「やります」というまでお説教されることが多かったので。(今考えると恐ろしい)
まとめ
GREAT BOSS、かなり良い本でした。
私は部下の立場ではありますが、上司の不安や考えていることについてこの本を通して擬似体験した気分になりました。
上司とペアで本書のフレームワークを活用するとものすごい効果が発揮できると思いますが、自分でエア上司を作って、フレームワークを自分で当てはめてもいいと思いました。自分のキャリアや仕事ぶりについてとてもよく整理できるようになります。
いい上司とは何か書かれているだけでなく、フレームワークに落とし込まれているのが本当に素晴らしいと思いました。
本書でもう一つ印象的だったのが、「小道具がよく使われている」という点です。
鯨のぬいぐるみや猿のぬいぐるみを使ったり、悪い癖がでたらゴムでパッちんしたり、反論の小槌を紙でつくったり。こうした取り組みは、思考を具現化するといった意味でとても効果的だと思いました。物にされるとより一層意識できるので、こういった一見子供っぽい取り組みに本気で取り組むところが本物のプロフェッショナルなんだなと思いました。
この本を読んで実践している上司は、間違いなくいい上司だと思います。
この本は、仕事をしている全人類が読むべきだと思うくらいいい本でした。本当におすすめです。
以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。