宮水の日記

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主に書評や資格取得について記事を書いています。

「3000万語の格差」を読みました

「3000万語の格差」を読みました。

なぜ読んだのか

「3歳までの赤ちゃんへの語りかけが、その後の学力に大きく影響する」というツイートをTwitterで見かけて、気になったので。

本の概要

1章は、なぜ人工内耳外科医だった筆者が家庭の言語格差の問題に気付いたのか。2-4章は、どのような研究を行ったか。5章は「3000万語イニシアティブ」の具体的な内容について。6章は、「3000万語イニシアティブ」が社会に与える影響について書かれています。

具体的に何をすればいいのかが一番気になるところだと思うので、この本で最も重要なキーワードである、3つのTだけ紹介します。

1. チューンイン
「子供に何かしてあげようとする親よりも、子供がしていることに関心を持つ親が最も子供の脳を育てる」

例)子供が犬を指差しているときに「大きな犬がいるね」とにっこり笑ってあげる。

大人でも、関心を持ったものでないと覚えられない・集中できないのと一緒です。子供が関心を持ったものに対して反応してあげることで、子供はぐんぐん言葉を吸収します。

2. トークモア
「単語の数だけでなく、どんな単語を使うのか、どのように話すのか、言葉の質が重要である」

例)赤ちゃんの世話をするときに、大人が「さあおむつを替えようね」「気持ちがいいねえ」と赤ちゃんにあたたかく話す。

他にも、大人がしていることを言葉にし、子供がしていることの実況中継をする。
「これ」「あれ」などを使わずに、具体的な名詞を話す。子供の言葉をふくらませると良いそうです。

3. テイクターンズ
「子供の言葉を繰り返したり、もっと話したくなるように質問したり、子供の反応をじっくり観察する」

例)子供が両手で持った積み木を打ち鳴らしているときに「カンカンカンカン」と行為や言葉をつけるのはチューンイン。大人は「積み木を積んでごらん」「おうち作ってごらん」などと言いがち。それをやめて、子供の反応をよく観察するのがテイクターンズ。

4. おまけ:ターンオフ
テレビやYouTubeの時間を減らし、外に連れて行ってあげたり、子育て支援センターで手を使って遊ぶ時間を増やす。

感想

本書には、色々とツッコミどころがあるようです。「研究対象である世帯が少なすぎる(確か42世帯くらい)」「米国で、さらに米国の中でも特に貧困である層についてのエピソードが多い」などです。それに、「3歳までに子供が聞く言葉が、子供の将来に多大な影響を与える」なんて言われたら誰でも難色を示すでしょう。ただでさえ一生懸命子育てをしている私たちには、プレッシャーになってしまうような内容も多くありました。(しかも、無駄なエピソードの途中に突然重要な内容がブッ込まれたりしてて非常に文章が読みにくかったです。)

この本では、3つのTだけ拝借すればいいと思います。5章では、3つのTに関して具体的にどんな声かけをしたら良いのか詳しく載っているので、そこを読むだけでもとても勉強になりました。子育てのバイブルとして、子供が独り立ちするまでは家に置いておこうと思いました。

超個人的な感想

私は、この本を読んで0歳の息子を保育園に預けるのが怖くなりました。訳者の日本の保育園に関する記述は興味深かったです。"子供は「今日は誰とも話さなかったよ」「つまんなかったよ」と保護者に言えない" ”11時間や12時間も預けられている子供は日本だけ”などを読んでハッとさせられました。この本を読むまで私は、保育者のプロがいる保育園に行く方が、社会性も身につけられたり、歌を歌ってもらえたりして私たちが育てるよりも良いと思っていたからです。一人の先生が3人をみるわけだから、今までよりも1対1の会話が少なくなるのは当然です。

とはいえ、ありがたいことに保育園に通わせることができるようになったので、今できることをしていこうと思います。
例えば、朝早起きして子供と触れ合う時間を作ったり、残業をしないようにスキルを磨いたり。子供と一緒にいられるときは、全力で向き合おうと心に決めました。

ここまでお読みいただきありがとうございました!